シルヴィ・ギエム写真集・Invitation Sylvie Guillem 招待 宅配買取 さいたま市中央区より

シルヴィ・ギエム写真集・Invitation Sylvie Guillem 招待

これは女王のための本だ。すべてのページが目眩がするような明白さでそれを、 証明している。シルヴィー・ギエムは傑出している。だから他と比べようがない。ひょっとしたら最後の偉大なバレリーナかもしれない。ラスト・ バレリーナ・アソルータ。半ばガルボのようで半ばお茶目な少女のような、孤独で非社交的なギエムは彼女の人生、情熱と謙虚さをもって心魂ダンス芸術に捧げられてきたこの人生を、その崇拝者たちと共に分かち合う時がやって来たと感じた。

「招待」という控えめでエレガントなタイトルは、そこから来ている。読者の一人一人に送られる招待状。 私たちは彼女に導かれて、そのダンスの「家」、家族、親しい友人たちの「家」を訪問する。「アルバムが欲しかった。」と、彼女を知る誰をも惹きつける、あの思いがけないシンプルさでギエムは言う。しかし私たちはシルヴィー・ギエムを本当に知っているだろうか? 

この本は最初の本だ。そしてひょっとしたら最後の本になるかもしれない。蒐集家にとっての真のオプジェ。

 少なくとも彼女はそう決心している。その日、細身のジーンズと黒の革ジャケットに身を包んだ彼女は、バリの出版社で写真のゲラを見ていた。身長170センチ、体重50キロ、長身でか細く、しかし力強い彼女。化粧気はなく、その緑の瞳は何物も見逃さない。嫌いな時はノン、それだけだ。妥協はない。そして身体の訓練の際に、彼女を苦痛の限界まで行かせてしまうのと同じ完璧主義で、写真を眺める。何をする時も、そのことに 全身全霊を込める。この本に対しても同じだ。この中で、彼女は心から愛する人々を紹介している。その数は、決して多くない。また彼女に幸福をもたらすオブジェや絵画、人生の様々な断片。これらの彼女にとって身近 な多くの存在が、この情熱に満ちた自伝を取り囲み、またリズムを与えている。そしてそこにはページいっぱ いにダンスが溢れ出し、美が、美そのものが銭められる。正に究極のエモーションだ。