天真正伝神道夢想流杖術 乙藤市蔵・松井健二等武道書お譲りいただきました。

天真正伝神道夢想流杖術 乙藤市蔵・松井健二等武道書お譲りいただきました。

(財)全日本剣道連盟会長 景山二郎
神道夢想流の杖術、並びに神道流剣術を集大成したこの著述が、乙藤市蔵先生の監修、松井健二 八段の編著として刊行されることは、わが国剣道界にとって誠に喜ばしいことと存じます。 財団法人全日本剣道連盟は、剣道、居合道に杖道を加えて、その鼎の三足としております。 振り返って見れば、杖道が全剣連に加盟したのは昭和三十一年のことでした。その後杖道の全国 的普及を目指して十二年間の研究期間を経て後、昭和四十三年に全剣連杖道が制定され、昭和四十 四年五月の京都大会において初めて打太刀故清水隆次範士、仕枚乙藤市蔵範士により公開演武され ました。

以来、清水、乙藤両先生とその門下を中心に杖道のめざましい普及が図られ、今日では既に数万 人の方々が、老若男女を問わず、全剣連杖道十二本を中心に日夜稽古に励まれています。

杖道の特徴の一つは、杖が太刀と組むという仕打の形式でありますがその基本精神は、杖は決し て人を殺さず傷つけることがないということでありましょう。その高貴な精神が今日の発展を支え ているとも申せましょう。また、剣道とは違った形武道であるため、必ずしも体力や健康に恵まれ ない方々にとっても、十分にその個性を活かすことが可能でもあります。杖道の形と精神は、現在 の知育、体育、徳育のうえからも大いに顕彰されるべきものと考えます。
こうした全剣連杖道の元となったものが神道夢想流杖術であります。

はしがき
本書は、武術拳法に伝へる名流各派の極意殺活法を、人体生理解剖学上に基き永年実験研究を重ねたる結果、その最も適確有効と認むる急所の正位置を、一々解剖図上に明示しその打撃の要領と、仮死即倒の原因を、医学的見地より解明したもので、本書により、その箇所と打撃の要領を熟得練磨せば、一撃よく人を倒し、人を活す、殺活自在の妙を得ること確実なりと信す。
日本武術研究所長 藤田西湖