椎原兵市氏の作品と業績等建築書お譲りいただきました。

椎原兵市氏の作品と業績等建築書お譲りいただきました。ありがとうございました。今回は造園関係の本が多かったのですが、その中から気になるものを紹介いたします。

本書は著者椎原兵市氏が生前自ら計画され、諸家に寄稿文の依頼をされたり、自身の思い出の記(口述)などものせられて、着々準備を進められつつあったのであるが、上梓を待たずして昭和41年1月4日突然他界せられ、編集事務が一頓挫を来したのであります。そんなわけで本書は今や記念出版としての意味をもつようになりました。

そして本人のものはもとより寄稿文などの記述は殆んどが著者生存中のものであるため、文中多少の混乱を生じる箇所もあることと思うのでありますが、この点読者諸氏のご判読をお願いする次第であります。

椎原氏は明治・大正・昭和にわたり、わが国造園界の草分け時代に当って、数少ない造園専門のエキスパートとして活躍され、卓越した造園設計の実務家として庭園・公園・遊園地等の仕事に偉大な足跡を印せられ、その作品は今日もなお随所に見られるのであります。故人はつねづねそれら生涯の仕事を何らかの形で広く後継者の参考に資したいという願望を持ちつづけておられたのでありますが、幸いそれが多くの人の協賛を得て、このような形で出版の運びに至り、故人の遺志を実現することが出来たことはまことに喜ばしい限りであります。