埼玉県三郷市へ 東宮御渡欧記など歴史書買取事例

東宮御渡欧記など歴史書買取事例。乾坤2冊から成るこの書は、後の昭和天皇（当時皇太子）が大正10年3月3日から9月3日までの間、イギリス、フランス、ベルギー、オランダ、イタリアなどのヨーロッパ諸国を歴訪、5月29日にイギリスを訪問したところまでを収録しています。また付録として収載の御渡欧間録は殿下御渡欧中の日本国民が、如何なる状態に於て生活して居たかと云ふ事を明かにせんが為に収録されており、当時の国民生活の一端を知る資料としても貴重。口絵など写真も豊富でビジュアル面からも当時の渡欧の様子がわかる資料となっています。天金本

何と云ふ吾等に親しみの多い御風姿でせう!勿論、御軍装や御大禮服の共れは、神々しい御成殿に打たれるの でおりますが、天れよりもフィックコートにシルクハットの御吟焚で、御氣體な而も破明潤涯な御中止と御風貌と をを押しては、異に是れ音等が次代の英主!この岩なる哉との深いく感源に胸うたる」ではありませんか。 この御質像は、本書でなくては非し得られぬ一のものです。が、若し此御背像が二倍大の富賞(賞版でなく 原成の複寫べ)であったら、之を観に納めて稲間に掲げ、朝夕親しみ深り、次代の英主と次代の國民 (酷君の子 女)とが、相共に斯の家國を誤ると六ふ沿民一如の活ける欲訓そのものとならうに!といふお感じがせいでせう か。本私は、御熱望の方に限り、原版を複寫して二倍大とし、特別上等の深紙に貼って賞費及書留送料共空間五拾 鏡で差上げます。併し是れは娘ひてお勧めするのではありませんから、畢竟、識者諸君の御熱望を練祭して、斯う もあらうかと、港心から御他宜を回ったのであります。共のお積りで御考慮を願ひます。

大正十年九月

『東宮御渡歐記發行所日本評論社