明治天皇紀13冊送っていただきました。ありがとうございました。また孝明天皇紀の買取も可能です。ご売却をご検討の方はお問い合わせお待ちしております。
刊行の辞
明治天皇は嘉永五年九月二十二日孝明天皇の第二皇子として誕生せられ、慶応三年正月九日践祚して大統を継がれました。それより御治世は四十五年余にわたり、その間における我が国の近代国家としての発展については、あまねく人の知るところであります。
「天皇崩御の後間もなく、天皇の御事蹟を編修して後世に伝えようとする議が起こり、大正三年十二月宮内省に臨時編修局(大正五年十一月臨時帝室編修局と改称)が設置され、翌四年一月編修に着手してより星霜を経ること十有八年、昭和八年九月明治天皇紀としてその編修を完了しました。本書の収載するところは嘉永五年九月御誕生より明治四十五年七月崩御に至る六十一年間にわたり、天皇の公私の御動静を中 心として当時の政治経済軍事外交教育等諸般の重要事項を包含しております。
本書については、これまで学界その他よりしばしばその公刊を求められており、 宮内庁においてもかねてよりその公刊について考慮していたところでありました。
たまたま、明治百年を迎えるに当たり、閣議決定により設けられた明治百年記念準備会議において、記念事業の一として本書の公刊が要望されましたので、これを機に本文二百六十巻の公刊の準備に着手し、これを新たに十二冊にまとめ、索引一冊を副えて公刊することと致しました。今ここに原本巻一より巻二十五までを収めた第一冊を公刊して大方の要望に答える運びとなりましたことは、多年の懸案を実現するものとして喜びに堪えない次第であります。
本書は既に三十余年前の編修にかかり、その後における研究の進歩より見れば、なお議すべき点もあるかと思われますが、多年にわたって蒐集された史料に基づく記述には、明治天皇の御事蹟と明治の歴史を研究する上に寄与する点の少なくない ことを信ずるものであります。
ここに第一冊を刊行するに当たり、本書の成立と公刊の次第を記して刊行の辞と致します。
なお、題字は宣仁親王殿下に染筆して頂いたものであります。
昭和四十三年十月
宮内庁長官 宇佐美