福岡県大牟田市のお客様より 大蔵経全解説大事典・仏教説話文学全集など　宅配買取事例

福岡県大牟田市のお客様より 大蔵経全解説大事典・仏教説話文学全集など　仏教書を送っていただきました。ありがとうございました。

仏教典籍の集大成を一切経ともいい、大蔵経ともいう。これには漢文大蔵経、チベット大蔵経、南伝 大蔵経等、各種の大蔵経があるが、そのなかで量のうえで最多であり、質のうえで最もすぐれているの は中国で翻訳された漢文大蔵経である。しかもそのなかで最も質の高さを誇りうるものは、大正十二年 より日本で発願刊行された『大正新脩大蔵経』である。そこにとりあげられた典籍は二九二〇点を数え、 それはわれわれに無尽蔵の宝を提供している。

仏教はすべての人に手をさしのべたはずであった。また日本の文化は仏教をぬきにして語ることはで きない。にもかかわらず今日、仏教は多くの人になじみ難く、ましてや大蔵経を手にしてこれを味読す るなど、ほとんど不可能に近い。この宝はいまでは一部専門家の占有物になってしまった感がある。こ の二千五百年の伝統に根ざした古典に心の救いを求めんとする現代人のために、また日本文化の広く深 い理解のためには、この大蔵経を市民の共有財産として解放する必要がある。

こうした見地に立って、私どもは『大正新脩大蔵経』の全典籍のより平易な解題とともに、これを一 書にまとめる作業に着手した。斯界の専門学者はもちろんのこと、少壮気鋭の学者・研究者を総動員し て、より多くの人に味解していただけるような書の完成をめざした。いま本書の刊行にあたって、一人 でも多くの方が本書編纂の趣旨を諒とせられ、大蔵経なる宝に手を触れられることを願ってやまない。 平成十年六月

鎌田茂雄 河村孝照 中尾良信 福田亮成 吉元信行