歴史関係の各種図録送っていただきました。

ごあいさつ
仙台市博物館では、平成十六年度秋期特別展として、「日・月・星―天文への祈り と武将のよそおい―」を開催いたします。 日・月・星は太古の昔から天空に輝き、それゆえ人々はさまざまな思いを託して きました。日すなわち太陽は生命体にとって根源となる天体であり、世の東西を問わず信仰を集めてきました。月もまた、その清らかな姿や光が人の心をとらえ、仏教にもさまざまな形で取り入れられています。そして天空に広がる星々によって、 吉凶を占ってもきました。
日本では、日天や月天、星曼荼羅などに代表される仏教美術や、星の宗教といわ れる陰陽道の展開など、天文との関わりが数多くみられます。
そして戦国武将たちも祈りを込めて、日・月・星を兜や旗印に用いました。仙台 伊達家では、旗は日輪、兜の前立は半月と定め、伊達政宗以降、九曜星を家紋の一 っとしています。
この展覧会では、日・月・星が、仏教美術、武具、漆工品などにどのように取り 入れられ、表現されてきたかを探ります。人々が天文に寄せた思いの一端を知る機 会となれば幸いです。
平成十六年十月 仙台市博物館


いまから四○○年前の慶長八年(一六〇三)、徳川家康が征夷大将軍となり、江戸幕府が誕生しました。
これは京都や大阪の政治的役割を低下させるきっかけになったという点で、大阪の歴史のなかでも重要な意味をもった事件です。この転機は、どのようにして訪れた のでしょうか。
豊臣秀吉は最晩年に五大老という制度をたちあげ、家康や前田利家、宇喜多秀家、上杉 景勝、毛利輝元といった有力大名をこれに任命して、自身の死後の政権運営をゆだねまし た。本展覧会ではこの五大老を手がかりに、天下統一から江戸幕府成立にいたる激動の時
代を見なおしてみたいと思います。 国内平定の過程で、秀吉が家康ら有力大名たちとまじえた外交と社交の手法には独特の 面白味があり、彼の真骨頂があらわれています。そしてその外交と社交のなかで大老制度 が模索され、やがて五大老制に結実します。秀吉の死後、大老制はまもなく崩壊しますが、 そこには秀吉が苦心して準備した制度と、これを打ち破ろうとする力との厳しい対決があ り、ドラマがありました。その証言者たる第一級の歴史資料・文化財をとおして、歴史の魅力を感じとっていただければ幸いです。 なお展覧会の開催にあたり多大なご協力を賜りましたご所蔵者ならびに関係者各位に対 しまして、深甚なる謝意を表します。
平成十五年(二○○三)十月十一日
大阪市 財大阪観光コンベンション協会
