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幽霊鬼斗卅六釁圖・百鬼図等三代目彫よしの画集をお譲りいただきました。

幽霊鬼斗卅六釁圖・百鬼図 三代目彫よし

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幽霊鬼斗卅六釁圖・百鬼図等三代目彫よしの画集をお譲りいただきました。

幽霊鬼斗卅六釁圖・百鬼図 三代目彫よし

あとがき

「百の鬼を描こうと思う」8年春、サンフランシスコの刺青師で十数年来の良き友であるエド・ハーディ氏に話した一言が百 鬼図の出発点であった。以来、東洋の鬼に纏わる事柄を探し出し図形化する仕事が、有言実行を標榜する私の背に重くのしかか った。と云うのは、既成の絵画におもねることなく、オリジナルで作画することを望んだからである。伝説や伝奇を始め、宗教 的な世界にその題材を求めたが、それらは多様な解釈法や伝承をそれぞれに内包しており、必ずしも一定ではなかった。従って 画集に添えられた私の解説文もそのうちの一儀のみを取り上げたもので、その総てとは云えない。また、私の勉強不足と紙面の 容量の都合から簡略にさせていただいた。

「幕末期に庶民の間で隆盛を見た刺青風俗は、限られたその理解者を除き、蔑視と差別のはざまを漂い続けて来た。が、そのは ざまから人体をキャンバスと見なした大胆な構図、ギリギリまで高められたボカシの表現とその必要性、彩られる季節感などが巧みに絡み合い、日本独自の刺青様式が創り上げられて来たそのには、権力にへつらわない先人刺青師達の弛み無い努力があ

ったからに他ならない。私もその伝統を受け継ぐ職人の一人として刺青の仕事に誇りを持ってやって来た。この百鬼図もあくまで一刺青職人が描いた刺青下絵的なもので、決して芸術的な面を意識したものではない。背景となる日本固有のボカシ様式は、伝統的な刺青技法とは異なる手法での表現を試みた。伝統の継続、固守は重要かつ有意義に違いないが、それに埋没したままでは新しい世界の展開は望めないと考えたからである。正統からの逸脱とも云えるが、伝統の精神は毀していないつもりである。 伝統をそのまま継承するを、守。 守に新しい方法や考えを加味するを破、 破を更に発展させ独自の世界を創造するを〝離 「守 破 離」私の座右の銘である。

長年の良き友で良きライバルでもある画家の小妻要氏、装丁・デザインをしていただいた吉富浩氏、原画撮影をしていただい た写真家の須藤昌人氏、翻訳に尽力していただいた見角貞利、大塚葉子の両氏、日本出版社の矢崎泰夫氏はじめスタッフの方々 の御協力によりこの画集を出版することが出来た。心より謝意を捧げる。

戊寅一九九八年 睦月吉日

三代目彫よし一中野義仁


幽霊画を描くにあたり

伝統とは決して不変なものではなく、時に応じ、人に応じてそのつど変容を遂げ ながらも、基本を見失わずに継承 されてきたものと私は考える。そして、そこには先人たちが切り開いてきた足跡が確実に残されている。

「古人の跡を求めず、古人の求めたる所を求めよ」南山大師(空海)の言葉と、「温故知新」(論語)の教えを学び、 私たちは先人たちの遺産の上に、更なる研鑽努力を重ね、たとえ小さな発展であっても個人のものとしてでなく、機会を得てその世界に広めていく。私はそれが先人たちに対するせめてもの恩返しでもあり、礼儀でもあり、過去と未 来を繋ぐ私たちの責任と立場を貫くことにもなると考える。

それまでは二段組みが常識であったボカシ針を三段組みに工夫し、ウス墨ボカシという技法を考案した初代彫よし。。この功績には及びもないが、従来、竹や木製であったノミ(彫道具)を金属製に、針先も金属製のカートリッジ式に工夫したものと、二、三段針が容易に組める治具等、二十年来にわたり使用した結果、機会を得て公開したことは、初代に対する私の報恩の一つであると自負している。

平成十年の『百鬼図』画集に始まる一連の出版にも同様の考えが下敷きになっていた。

さて、このたびの画集の題材がなぜ幽霊なのか。「若きにもよらず、強きにもよらず、思ひ懸けぬは死期なり」(徒然草)という。人が死ぬことにより、いや死ななければ物語が始まらないという特殊性と、人間である以上誰もが持ち得る、心の中に潜む恐怖を少なからず掻き立て、因縁因果や怨念妄想に畏怖する負の魅力からである。

参考資料として当然ながら、葛飾北斎、国芳を始めとする歌川一門、河鍋暁斎らの浮世絵、日本画の円山応挙、谷 中全生庵の幽霊画や既刊の幽霊画集等々、有名無名にかかわらず対象としたが、それらを真似てはあくまでコピーで しかない。改めて幽霊、怪談の原作や解説を読み、自分の内に広がる形象を下絵に起こした。結果、原作にない場面 を創作することにも繋がり、私自身の完全な創作による幽霊たちも誕生したのである。

例を上げれば、四世鶴屋南北作の『東海道四谷怪談』中の名場面とされる、お岩髪梳き」もお岩を幽霊として表わし、草刈鎌を首に打ち込まれた累、も私の創作である。生首を下げ戦場跡に佇む若武者の亡霊は、戦国に思いを馳 せた空想であり、藤原広嗣 の怨霊については『幽霊の研究』(学習研究社)中の解説、「観世音寺の式典の最中、真っ 赤な衣と冠をつけた広嗣の怨霊が、突然雷光の中に現われ玄防の体をズタズタに引き裂いてしまった」を私なりに創作したもの等である。

いまここに三十六枚を改めて見直すと、随所あるいは全体を描き直したいものばかりである。浅学非才故、文中画 中の誤りについては平にご容赦のほど、百伏してお願いする次第である。物語の筋書きは作者や時代、伝承された土 地等により幾通りもある場合が多く、私の解説もあくまでその一部でしかないことと共に、敬称の略をご理解いただ きたい。差別用語と判断される表現については時代表現重視のためであり、決して悪意のないことにご寛恕を乞う次 第である。

私の場合、描けば描くほど絵はむつかしく、彫れば彫るほど刺青もむつかしく、奥の深いものと最近やっと気がつ いたように思える。歳もとればとるほど人生はむつかしくなってくる。つまらない世の中ではあるが、一所懸命に一 生懸命、刺青の二文字を襷にかけて己の未熟を克服していこうと思う。天命のままに。

されば、人、死を憎まば、生を愛すべし 存命の喜び、日々に楽しまざらんや

兼好法師 

ともあれ、このような機会を与えてくれた日本出版社社長、矢崎泰夫氏に心よりお礼申し上げるとともに、出版に携わってくださった関係者の方々に重ねてお礼を申し上げるしだいです。合掌百拜

大岡川畔にて 平成十九年 卯月

針墨子 三代目彫よし 中野義仁

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