西條誌稿本・20巻お譲りいただきました。昭和52年に愛媛大の原本をもとに復刻出版されたもので、内容的には130年前の天保年間に西条藩によって編述された旧西条藩七十ケ町村の歴史風土記です。木箱入りの貴重本です。ありがとうございました。
待望の 西條誌稿本復刻版なる 西條誌は天保十三年寅歳五月儒臣日野暖太郎和照撰によって完成したものである。 その凡例をみると、
命を蒙りたるは、只西條一境の誌にて、一国の事を集るにはあらず 天保七申歳より事を始め、七年を経て同き十三寅歳に草稿成りぬ と書かれている。
この編纂の為には事前に各大庄屋を通じ又その下の各庄屋をして村々の風土記の提出を命じた程慎重な調査がなされています。
郷土史研究家は勿論、一般家庭、教育、社会の凡ての方々に責任を以っておすすめ出来る逸品であり、これに優る郷土史は今後みられないであろうと思われる。 新居浜郷土史談会長 真鍋充親
西條誌稿本復刻版を推薦する
詳細な歴史書であり、緻密な地理書であり、またその筆跡・絵画の美しさからいって美術書でもある西條誌が、真鍋充親先生を中心とする郷土のみなさんの非常なご努力によって復刻版として刊行され、多くの人の目に容易 にふれるようになったことは、地方文化の向上という点からいって、まことに喜びにたえ ません。ことに、復刻版の原本として、当愛媛大学附属図書館所蔵本がお役に立ったことは、私にとっては二重の喜びです。私自身、 この原本を手にして、その緻密周到な編纂ぶ り、筆跡のみごとき、挿入の彩色絵画のすば らしさに目をみはりました。
本書が、多くの方々に愛読、愛蔵され、先 人の仕事の立派さと、その郷土を愛する心の深さが広く世に知られることを望んでいます。 (愛媛大学法文学部教授)
新居浜郷土史談会長 真鍋充親 全20巻の内容のなかには、貴方たちの故郷の姿が描かれて居ります。135年前と今の状態を比較してみて下さい。 きっと貴方たちのお先祖さんのお名前とか、貴方たちの住んで居られる所の名が随所に出てまいります。 村風土記の下調査と、これを踏査して草稿がなるまでに十年の歳月がかけられた郷土史として、これに優るものはないと確信しておす、めします。
愛媛大学附属図書館の御好意と関係教育機関の御推薦を得た、西條誌稿本復刻版は是非共一家に一揃、一校にも一揃又職域毎にも一揃、必備図書として御所蔵下さい。
はや予約相次ぐ
西条誌稿本の復刻完成
新居浜郷土史談会と西城誌稿本復刻版刊行委員会が進めてきた西条誌稿本全20巻復刻版が完成、18日午後1時から新居浜市の新居浜国際ホテルで出版記念祝賀会を開く
西条市は天保13年西条藩の受診日の太郎は症によって完成された東予一円の71箇所についての郷土史。ルーツブームも反響の引き金となり500部の限定出版というのに東京など各地からすぐに350部もの予約があるという。
西条藩主の松平家は江戸詰めの常勤で代々家老が治めてきた。しかしもめ事が藩主にまで持ち込まれるケースもあり、行政の手引書が必要であるとして日野和煦 が編纂を命じられた。各大庄屋を通じて村々の風土記を提出させ、さらに10年の歳月をかけて完成した。全部で20巻。五部制作され一部は西条市の伊賀乃大社に奉納され3部は江戸の松平家に、稿本の残り一部だけは代々日野家に伝わったが研究のためにと愛媛大学附属図書館に寄贈された。
復刻版が原本を全て複写し、同じサイズの縦27 CM 横19 CM で原本の感じを出すように和とじとし、全二十巻が木箱に収まるという貴重な本になっている。この際調子は随所に村々の風景も描かれており、現代の変容ぶりが一目でわかるほか、村の由来、村境や各村の話題なども記されている。また別子銅山、立川銅山などの動きも分かり、郷土史解明の決定版としている。
同刊行委員会はほとんど宣伝をしていないが東予一円の各市町村教育委員会、学校教員だけでなく今日年に関心を持つ人たちから次々に予約が舞い込んでおり、予想以上の反響に驚いている。