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日本庭園集成・6冊他建築書お譲りいただきました。

日本庭園集成・6冊

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担当スタッフより

日本庭園集成・6冊他建築書お譲りいただきました。最近は見かけることも少なくなっております。幸いにも今回はセットで6冊お譲りいただきました。ありがとうございました。

日本庭園集成・6冊

露地の石燈籠

庭に石燈籠を最初に用いたのは、千利休であると い う。『貞 要集』に、「石燈籠露地に置候は、利休鳥辺野辺りに石燈籠の火残り面白 く静成る体思ひ出て露地へ置申候よし」

とあり、その残火の風情が面白くて、露地に入れたと伝えら れている。この時に利休が見た燈籠がどのような形であったか は知る由もないが、鳥辺野の辺りは野辺の送りが行われた所 で、墓なども多く、そうした黄泉の世界への献燈であったろう し、辻燈籠のような形であったかも知れない。

以後、石燈籠は露地の中に必ずといってよい程に用いられる ようになり、その働きも実に細々と決められるようになった。 『貞要集』の伝承によれば、利休が露地に取り入れる動機とな ったのは、石燈籠そのものよりも、その明りの風情のよさであ る。それ故に、露地の中に取り入れられた燈籠に、いかにして 風情を作り出すか、これが露地燈籠の問題であった。

そこで、残火の物寂しい光を感ずるということは一体どうい うことなのか、という基本的な問題から、そうした風情を出す ための燈籠のえ方、火の点し方、消し方、火口の障子の桟の 作り方、土器の用い方、火の掻き立て方、油の注ぎ方、火の調 節の仕方、芯の使い方、掃除の仕方、水の打ち方など実に細々 と工夫された。また、雨の夜や雪の夜や月の夜の燈 籠の点し 方、明け方の点し方、消し方なども考えられた。これらはすべ て侘びた風情を出すための創意である。一方、客の方にも、こ うした風情を感ずるためのいろいろな仕方が生れた。

 

こうした露地燈籠の基本を踏みつつ、露地内において、それ ぞれの場所によって働きが与えられるようになった。露地口の 足元の明り、腰掛まわりの明り、蹲踞まわりの明り、雪隠まわ りの明り、中門まわりの明りなどと要所要所に配される。特に 蹲踞まわりと中門の辺りには必ずといってよい程に置かれ、そ れらは明りであると同時に、侘びの風情を有していなければな らない。

利休好み、織部好み、遠州好み、宗和好みなど実に多くの茶 人好みの名をもつ燈籠が伝えられている。すべてがその通りで はないにしても、各茶人が自分の理想とする侘びの世界を、い かにして露地の中に作り出そうとしたかの証明といえよう。 本巻に収録した各家元の春日形燈籠(六角燈籠)にかぎってみても、同じ形がどれ一つとしてないのは勿論のこと、蕨手を欠いたり、火袋を切りつめたり、違う他の燈籠と組合せたりな ど、実にいろいろな工夫が凝らされている。その据え方もそれぞれに違い、ましてや春日形以外の燈籠を比較すると、違い方はそれ以上に大きい。 しかし、基本はどれも皆同じである。それは、露地の働きに 充分に従わせつつ、侘びの風情の表現につとめているからであ る。古い露地の中に、重要文化財に指定される程の立派な燈籠 が入っていないのもそのためである。露地の燈籠は明りである と同時に、形以上にその風情が大切であり、しかも侘びていな ければならないのである。


 

西澤 文隆
おわりに

「日本庭園集成」と銘打つからには、古から現代に至る庭園全般に亙って集大成すべきものと思われるが、本集成は『数寄屋建築集成」の続巻とも言うべきものであるから、数寄屋建築にまつわる庭園を主体として採り上げている。その意味では現代に作られた数寄の庭も含めて気の付いたものは概ね集めた積りである。但し坪庭については既に余りにも多くの本が出されており、その踏襲に終るのは残念とあって、建築が一般の通念では数寄屋と称せられない現代建築の中庭まで幅を拡げた。むしろ全般にその方へ逸脱していった方が現代日本の庭園集成 になりうる可能性があるように思うのだが、『数寄屋建築集成』に顔を立てて穏当な選択を行った。本来数寄屋建 築は構造が木造りである必要はなく、鉄筋コンクリート造りであっても、透けて腸たけた建築で、発想が至るところに人知れずちりばめられている建築であれば数寄屋建築だと思うのだが、坪庭を除いては逸脱を思いとどまったのである。

既に『数寄屋建築集成』では『数寄屋門』で「仕切る空間の中で」、『総合作例集全国編』で「数寄屋の庭」、『日本庭園集成』では『数寄の庭』で「数寄の空間と造型」、『玄関の庭』で「アプローチの空間と造型」、『坪庭』 で「坪庭の空間と造型」、『茶庭』で「茶庭について思うこと」を書いているので、私の書いたものだけを通読していただいても数寄屋にまつわる庭とはどのように在りたいと私が考えているかはわかっていただけるのではないかと思う。数寄屋という言葉は既定の事実のように使い馴されていて、どの人の考えも当らずといえども遠からずの感がある。それだけに日本人にとっては数寄屋という言葉は馴染み深いもののようだ。書院造りのように堅く格式張らず、茶室のように囲い込まれず、からりと晴やかに透けて奥深く陰翳の中へ浸透していくような、しっとりとした住い―艶というよりは更に晴々しくつややかな世界。そこまでは一般が認識するところだが、そ の中に秘められた細部の細部に至るまでの彫琢、そこに飛翔する思い切った発想が、人知れずちりばめられてい る所までは気がついていないようだ。庭もこれとバランスを取って細部の細部に至るまで心入れがなくては数寄 屋の庭とは称し難い。敷地全体が響き合って、人が歩むに従って快く展開していく空間でなければならない。中 村昌生先生が『数寄屋建築集成細部集 外廻りの技法』で述べておられる文章を引用させていただく。

「数寄屋建築の魅力、特有の雰囲気といったものは決して外観や座敷や茶室だけから醸成されるものではない。 例えば玄関に立ち、廊下を通り、階段を昇降し、手洗へ行く、随所で経験する雰囲気が重なり合って、全体の魅 力を形成し、人に迫ってくるものである。」

この言葉は正に庭園にも当てはまる。人は庭の中を歩む。腰掛で休む。茶室入りして茶を楽しむ。外界から切 り離された空間であるが壁は薄く、日のかげりゃ暖かな日射、鳥のさえずりまで感じられる世界である。座敷に 座って晴々と開け放された庭と一体化する。庭は細部に至るまで発想され、彫琢され、而もそれをさり気なく隠 しておおどかに感じさせながら隅々まで心の行き届いた風情の中にある。これこそ数寄屋の庭と呼ぶべきか。

ともすれば庭を自然そのものと勘違いする人がいる。なるほど庭は自然そのものを使って、さも自然らしく作 りなされる。但しそれはあくまで人間の創造物であって自然そのものではない。完全に飼い馴された自然であり、 室内化された自然と呼んでよい。建具を全面開放して一体化した中で室ともなく庭ともなく、空気の中に心を漂 わせることが出来るのもそのためである。

人は庭を作る時、それが四、五年経って庭木が互いに馴染み合い、地面の苔も深々と生育した中にヒコバエの 芽が生々と光り、ぎこちなさが全く消え去った自然の状態を想い描きながら作る。作った人と使う人が同じ場合

はよいが住む人が作った人の心を十分に解しない場合惨憺たることになる場合が多い。もしその人が庭に対して深い愛情を抱いていれば、たとえ作った人の心がわからなくて違う庭に変貌することはあっても、それなりに艶やかな庭として生存しうるのだが、愛情の少ない人が多いということは困ったことである。住む人が愛情さえ持ち続けてくれれば何代にも亙って庭は健在でありうる。作られた時とは全く違う庭になることはあってもである。

それは自然を主材料とする庭に於ける宿命みたいなものだ。もし作った時のままに凍結させたいなら、石と白砂を主体とする枯山水より手はあるまい。それだけに枯山水は固く、数寄屋の庭に見るような艶やかさや柔らかさはない。池泉庭園では池の形が変貌してしまうということは少ないが、木は生長するから思わぬ風景になってしまうことが多い。

特異の例として西芳寺庭園がある。夢窓国師が造園したのは白砂の中に盆栽よろしく木の枝を引っ張ってたわめた、およそドライな庭であったようで、下の庭では舎利殿、湘南亭、邀月橋(橋亭) 、 西来堂、潭北亭、嘱精亭、方丈が輪奥の美をなしていて、おそらく中国の庭に近かったろう。 今はこれらの建物はすべて無く白砂の面もない。

亭々と聳える樹林の下に一面の万年苔に覆われて何とも美しく透けた庭となっている。それは自然が作り出した庭のように見えるが、庭をこよなく愛する人々が何代にも亙って自然と協力して作り上げていった庭である。滝は度重なる洪水によって流されその影もない。池のみが健在で初元のままの形をとどめている。これは正に稀有なことで他に例を見ないが、本来庭は細やかな注意を怠らず愛情を持ってはぐくみ育てるのでなければ常に消去る運命にある。庭の色艶はフォローする人々によってこそ光り出るものである。人の意志によって一方的に飼い馴そうとしても駄目で、自然をよく知って自然と協力して育てるより手はないのだ。建築も入念な手入れは必要だが、深い庇で保護されているだけに楽で、庭のように一寸油断すれば自然の猛威の下、たちまち荒廃の憂き目を見るということはない。

 

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