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切手郵便関連の本買取 新宿西新宿 華郵集錦・水原コレクション

華郵集錦・水原コレクション

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切手・郵便関連の本買取について
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担当スタッフより

切手の本買取事例。華郵集錦。副題は水原明窓コレクション、水原氏は日本郵趣協会理事長ですが、中国切手の国際的権威として知られ、1956年に中国で行われた展覧会には、40000人の切手愛好家が集まったと言われています。このシリーズは非売品でもあり、年々見かけることが少なくなっています。幸いにも、水原氏の直筆の文章が同封されていました。ありがとうございました。

華郵集錦・水原コレクション

中国海関郵政史 
ごあいさつ

多くの中国切手を集めている,友人たちの強い希望と,すすめによって,展覧会へ 出品したコレクションを,そのまま写真にとって,本にすることをきめ,ここに第1 回分の《中国海関郵政史》を,まとめあげました。

このような本を作ることに,はじめはなかなか気が進みませんでした。コレクショ ンは進行中のものですし、内容的に十分に自信はありません。収集の範囲が広いので, 特定の分野に力を集中できませんから,収集品にムラがありますし,研究的な面では, とても専門家にかないません。ごく親しい人たちのためには,ゼロックスで複写して, 資料として差上げたり,教えをいただく材料とはしましたが,印刷物にして残すとな ると,心を天下にさらすようなもので,大変に気が重かったのです。

しかし,いろいろとくどかれて,どうせコレクションは常に未完成のものだし,笑 われたところで,趣味の遊びではないかと,もう割り切ることにしました。ですから この本は、私のコレクションを通じて,中国切手を集める人たちに,教材と資料を提 供することだけが,目的であるということを,改めて申しあげておきます。 「第1回のこの本に収められているコレクションは,中国の海関郵政の下で,発行さ れた切手と,国家郵政へ移る経過での切手類でまとめています。展覧会への出品は, 全体のアウトライン48リーフを, 1973年の全日展に,ついで大竜切手の部のみ48リー フを, 1975年の全日展に,それぞれ出品して金賞をえました。国際展では, 1974年の <INTERNABA〉(スイス), 1975年の〈ESPANA ’75(スペイン), 1976年のアメリカ独 立200年記念〈Interphil 76〉で,それぞれ金賞をうけ,さらに内容の構成がえをして 出品した, HAFNIA ’76〉 (デンマーク)で大金賞をえました。

この本の構成について,はじめはその大金賞をえたときの, 160 リーフのままで, という話で進められました。それなら簡単だからと,承知したのですが,資料用とし て印刷するのだから,あれも加えよ,このリーフも手を入れて,といったことになり, 最終的に213 リーフになりました。このために10月から12月にかけ,毎晩のように深 夜までアルバム作りをやることになり,ああ,えらいことを引受けたものだと,くや んだものの,後へはひけません。さらに,整理中のリーフも,大竜切手だけでもよい から,20~30 リーフを加えるようにという意見もありまして,それも考えましたが, それではこの第1回分だけが,厚くなってしまうので,お許しねがいました。 「考えてみますと,中国切手に興味をもち,集めはじめて30年になります。はじめは カタログ・コレクションです。1957年に紅印花小字1円の, 1枚を手に入れて,もう 一人前になったつもりで,それから後はもっぱら解放区の切手に力を入れていました。 1968年の秋,市田左右一さんのご紹介で,令名はすでによく知っていた,デビッド夫人と東京で食事をする機会があり,コレクションの内容をうかがい,そのぼろし すっかり打ちのめされました。「井の中の蛙」とは,これをいうのでした って「負けるものか」と決心するまでの半年間ぐらいは,切手をみるのもい。 この間の心の移りぐあいを,当時「潮」という綜合誌に書いています。とて 変なご夫人で, めぐり合せを世話してくださった,市田さんは,春秋の筆法で、 でもなく,今日このコレクションがある恩人として,感謝しています。

さて,この第1回につづき,あといずれも国内展や,国際展に出品した,コルク、 ョンを,同じように本にしていきますが,資料性を高めるために,それぞれへ向 じ位の量に増やしていきます。そのため,時間がかかるかも知れませんが,どうす 許しください。なお,今回のコレクションのなかで,印刷中にミス・タイプゃw な誤りをみつけました。あと,皆さんからのご指摘や,ご教示をまって,正誤表を佐 っておとどけしたいと考えています。どうか,よろしくおねがいします。

1978年1月10日 水原明窓


華郵集錦〉の第2集をおとどけします。第1集を出してから,あっという。 年も過ぎ、期待されている皆さんに、お詫びのしようもありません。第2集の 東北と山東の郵便史でしたが,アメリカのサンフランシスコで開かれた,第11月 ア展へ上海日本局》を出品し,その方が早く整理できましたので,勝手です。 の順序を変えさせていただきました。

この分野の収集は,いまでこそ盛んになりましたが,私が始めた1962年頃には 国でしか注意されていませんでした。国内には材料が乏しかったことも,ひとつ。 由かも知れません。そのためデータは多くの場合不完全で,すべて自分で調べる。 がありました。この本で冗長すぎる位,エンタイアを並べたのも,私と同じような 間の空費を防ぎ,将来のデータ集積のための資料という意味を考えたからです。

この本を見られて,前半のおもしろさに較べ,1904年以降が,あまりに淋しいの アンバランスを感じられるでしょう。その理由は中国局が自身で外国へ郵便を差 られるようになり,またアメリカ局が活発に活動し,日本局の仕事量は,在留邦人 けを対象とする, 細々としたものになったからです。

このコレクションは、1976年の全日展に48リーフをまとめて出品し金賞,1978年の サンフランシスコにおける,第1回アジア展に96リーフを出品し, グランプリを受け たものです。本に編集するに当り,例によってそそっかしさから,それらに出品した いくつかの重要なリーフを,落してしまいました。いずれ別の機会に紹介し,おわび したいと思っています。

1978年7月10日
水原明窓


ここにまとめられたコレクションは、わが国で「満州」と呼んでいた,中国の東北 地方と、その関連地区の, 100年間の歴史を,切手をはじめとする多面的な郵趣品に よって構成する, テーマチク・コレクションへの試みです。全体の組み立てについて は、目次をみて、ご理解いただきたいと思います。 中国の東北地万は,清朝発祥の地で,満州族を主な住民としています。18世紀まぐ 明宮海峡にいたる,広範な地域でしたが、1858年にそれらはロシアに割表されます。 +フィラテリーの上で,満州が登場するのは、1876年生荘の海関郵便局です。

いらいこの地は、日本とロシアの進出におびやかされ、日清・日露の戦いを経て, 11020年にロシアが撤退すると,日本の独占的支配が強まり,1932年には関東軍の手で 「満州国」が作り上げられました。日本は満州を「生命線」と呼び、完全な植民地化を はかっていきました。1945年8月,日本帝国主義が崩壊し、この地は再び中国人民の 手にもどりました。

一の100年間の歩みは,まさに中国人民の苦悩の歴史であり,ここに集められたり 手や郵趣品は,それを如実に物語る,貴重な文物といえます。

このコレクションは、当初は《華郵集錦》の第2巻として.〈山東郵便史〉と合わせ →1冊で発行することになっていました。 その内訳は《東北近代史〉が, パリの国際 切手展(1975) 出品の120リーフ,一方の〈山東郵便局〉は全日本切手展(1978) 出品の48 リーフ,合わせて168リーフで,1冊を構成する予定でした。 * ところが第1巻発行のとき,大幅な増ページをし、ついで後の巻に予定していた, (日本上海郵便局〉を第2巻にし,それも予定より60%もページを増して,しまいまし た。そのため「切手展に出品したままのアルバム・リーフを,そのまま印刷して本に する」という,当初の計画は,すっかり崩れてしまいました。 さらに第3巻の〈中国 解放区切手〉は,当初の160リーフの予定が,何と658リーフという数になり,切手展 出品の状態のまま,つまり構成の具合をお見せするという案は,基本的に潰れて, さ ながら「資料集」となり,当初の計画とはだいぶかけ離れてしまったのです。

そんなことから,この巻にあっても〈東北近代史〉と,〈山東郵便史〉は,別個の本 にして,それぞれコレクションの中から資料的に役に立つリーフを加え,出すことに しました。その考え方で準備を進めているとき,ブラジルで開かれるトピカルの切手 展 (1979年9月)に,出品しないかという国内コミッショナーからのすすめがあり,ど うせページを増すのなら,それへの出品を兼ねようと,昨年7月末から8月末までの 1ヵ月間,夏休みはもとより,毎晩2時,3時までリーフ作りをし,ようやく8月末 に出品の144 リーフがまとまりました。 *ブラジルへ送る前に,この144 リーフは写真撮影を終らせ, あとその出品がもどっ てくる10月中旬までの間に,さらに50~60リーフを新しく作り、コレクションがもど ってきた時点で,1冊の本ができ上るようにしようと考えていました。

ところが9月にはいってから,手放せない仕事がいくつも重なり,さらに半月も中 国へ出張し,帰国してからは雑用に追い廻され、ブラジルから出品物はもどってきた のに,追加するリーフのまとめは,なかなか進みません。11月にはいって、また連日 深夜までのリーフ作りを始めましたが, こんどは全体のバランスをとる問題で,ハタ と行詰ってしまいました。とにかく仮ばりリーフを作りながら,全体を考えようとし たのですが,どうにも構想がまとまりません。特に困ったのは,1946年の3000種をこえる、満州国切手への加刷をどのようにまとめるかということでした。

このコレクションは題が示すように,テーマチク・コレクションとして、 えて作ったものです。構成の考え方などは『郵趣』1975年7月号に、くわしている したから、ここでは述べませんが,つぎつぎと資料的なものを加えていくと テーマチク・コレクションではなく,郵便史コレクションに近くなってきて はせっかく本にしても,コレクションの意図が,理解されなくなってきてしまい、 基本の144リーフに対し,全体にバランスよく,少しずつ新しいリーフを加え、 しても, どうにもうまく,まとまらないのです。

とうとう年末も迫り,ついに背水の陣というわけで,年賀状に「2月までには します」と書き,もはやバランスは考えずに、テーマチク・コレクションに2 ース(基礎)となった, アキュムレーションを加えるという形で,本にすること きめました。そこで普通では,ほとんど見るチャンスの少ないロシアの満州 おける郵便を,仮ばりリーフのままですが,持っているもののほとんどを加え の野戦局,関東州での使用例, 1946年のぼう大な地方加刷は,代表的な例にとど 編集をしました。アンバランスという,お叱りを受けるのは覚悟の上で,よう 刷に廻すめどがつきました。

野戦局については,大先輩の大西二郎さん,そして新進気鋭の鈴木孝雄さんの 表があり, 在中国局には穂坂尚徳さんの好著があり,さらに1946年の加刷切手 ては,いま織田三郎さんを中心にした研究グループの調査活動が進んでいるとさえ、 追って公表されるでしょうから,それらの分野での素人である私が,僅な収集品を こで省いても,お許しいただけることと思います。また中国人民郵政の東北解放 よび,旅大区発行の切手も,ほとんど省きました。すでに本書の第4巻に,採録店 で,重複が多すぎるからです。

「満州国」郵政については,もう少しスペースをとりたいと考えましたが,全体の ージの制約があり,この程度にとどまってしまいました。特に中国との関連で,不足 料を徴収された実態(これは日本局からの差出しについてもいえることですが)を、 っと追求し,リーフで示したいと,考えてみましたが,力不足でした。

当初のコレクションの構成を,いくらかでも知っていただくため,各章の始めに当 初のリーフをもってきています。リーフの右角に地図が印刷してあるリーフが,それ に当ります。3回の出品で,若干の出入りがあり,右上に地図があるリーフが 1581 ーフになっています。東北とよばれる旧満州地区の歴史を語る, テーマチク・コレ クションとして,まだまだ郵趣品は不足で,各分野の専門家からは,笑われるかも知 れません。しかし「中国ゼネラル収集」のなかから, まとめたという点で,何とか及 第点はいただけるかと思います。

英語にまったく自信がないのに,英文タイプを打って,リーフを作っているので、 今回もまたまたミスが多く,頭をかかえています。どうかこれもお許しください。知 識不足から,いろんな誤りもあると思っています。よろしくご指摘、ご教示をくださ るよう,お願いいたします。

なお,別になってしまった〈山東郵便史〉は,本書の第6巻として,本年6月末ま でにはお届けしたいと,準備にかかっています。


 

《華郵集錦〉の第4集ができあがりました。これは第3集につづく「解放区切手」の後 半を構成するもので、3~4集の2冊で「解放区は完結です。第4集は310リーフぐらい で、まとめると予定していましたが、またも予定を超過し,350リーフとなってしまいま した。これはもう,私のよくばりのせいです。思いきって、バサバサと,リーフを減らせ ばよいのですが,私には愛着の方が強すぎて減らすことができません。 この巻の内容については,目次をみていただくと、よくわかるように、第3次国内革命 戦争(わが国では国共内戦とよばれていた)時期に発行された,山東解放区から,西向解 放区までの切手です。東北と旅大を除いて、ほとんどが1949年の1年間に発行されたもの で占められ,短期間における種類の多さでは、世界のレコードだろうと考えます。よく似 た例として,ドイツのソ連地区の切手があげられますが,集めることの難かしさは,中国 の方が遥かに大変です。くわしいカタログはありませんし,切手そのものが手に入れてく いのです。 「第3集では仮ばりのリーフを,気にしながらも、たくさん入れていました。しかし印刷 した本に、これではだらしなさすぎると反省し、今回はすべてきちんと整理した,リーフ だけを出すように努めました。しかしながら,全部を新しくレイアウトして,統一する とはできませんでした。特に地名の表示については,中国国務院が1979年1月1日から, ローマ字綴りは拼音ンに統一すると,発表したのですから,それに統一したかったのです が,一部のリーフで改めただけで終ってしまいました。お許しねがいたいと思います。 「第3集と合わせて,この2冊をひもときますと,中国人民郵政の20年間にわたる, 苦難 の歩みを見ることができると思います。不屈の戦いの連続のなかで,中国人民は郵政事業 を築き,発展させてきました。切手は正に生きた歴史の証人であると,改めてつくづく感 じています。そしてエンタイアを見ますと,抗日戦争のさなか,あるいは国民党との戦い の内でも,つねに戦線をくぐって,通信が確保されていたことがわかります。敵と味方, 対じしながらも暗黙のなかで,郵便物が交換されていたことは,中国の郵政事業のすばら しさだといえるでしょう。

アルバムへの整理をはじめて,ようやく10年目に,だいたいの整理がすみました。これ も《華郵集錦》という,本を作ることをきめたので,できたことです。きちんと整理をや ってみて,まだ足りないものが多いのに,われながら情けなく思っています。もっと力を 入れて集めていたなら,もう少しはまともなものになったのにと,悔んでも、いまとなる と間に合いません。コレクション作りとは、しょせんこういうものかも知れません。

この本は(1~3集も含めて)私の収集の歩みの記録だと考えています。皆さんのはげ ましをいただきながら,あと5集,6集を作りあげていきます。どうか引きつづき,ご指 導,ご声援と, ご協力をおねがいします。

1979年2月20日
水原明窓


1979年3月15日 すっかり春めき桜の便りも伝わる頃となりました。

さて、昨年末、つづき華郵集錦の方4冊目が、でき上りました ので、ここにおんけいたします。4月20日の切手趣50までには、おい けすると予告していましたかこんどはピッチを上げ繰上げることができました。

才3冊目の解放区上の印刷が上ったのを見ましたら未整理の アルバム・リーフをそのまま入れたのがあまりにも不本裁なのにまったく恥 is思いました。そこでこの才4冊では。総てのリーフをもう一度改めて直 i仮貼りのリーフは1枚もなくそうと考えました。そして12月22日丸安日 10時過ぎの帰宅後から深夜のる時までを一晩も休まずこの整理に あてました。できるだけ減らすように努めましたか才4冊目のリーフはまた ふえて350ページになってしまいました。一段落が着いたのか2月のこと です。正月の3日にひどい風邪をひきそれをなおす時内もありませんでした。 16日から目次を書きとう一度全体のチェックと手直しをやり2月22日夜に 印刷所に総てを渡しましてホッと肩の荷をおろこました。

全体を通して改めて見直しますとまだ表現の統一のとれているところや切手が欠けているところかあります。確かに手にしている筈なのです かどこを探しても見つからず困りました。とうとう一部ブランクのリープも あります。20年もやっていますと,行方不明の切手が出てもいたし方 ないようでもう一度リーフを作り直せばよいのですがすっかりくたびれて見苦しいページをお許しいただきたいと存じます。まったくの夜なべ だけで350リーフを2ヵ月でまとめるのは,実のところてんどいことでした。さすが にダウンという感じです。しか集中的に随分と勉強もできました。国共内 我とよばれる方三次国内新時期の本を何冊と改めて読み直しましたこ リーフへここく記入するため,この時期の地図もよく覚えました。勿論切手 の調べ直しと再分類でいろいろ成果も上りました。コレクションを一冊の 本にする仕事は自分自身の役に立つものだと切感しています。

前回の才3冊目とこの才4冊て中国解放区」のまとめが終 りました。欠けている切手はありますかこれを見ていただきますと解放区 切手のアウトラインがつかめると思います。また当時のカバー(実封)により。 郵便が彼我の地域を自由に交換されていたことがうかがえると思います。

つぎの才5冊目は東比近代史と題し東北地方の歴史を郵 趣品によって語る,テーマチス・コレクションです。パリの国際切手展で入賞し た,120リーフのアルバムページをベースにして約200~250リーフ位の内 容のもので1冊にする予定です。その作業の開にソフィアで開かれる 国際切手展(5n188~27日)に2っのコレクションを出しますのでその準備 の時内も必要で5冊目の完成は7月末をトにしています。

おとどけした才4冊についてお気付きのことやご意見あるい はご感想をついでのときおきかせいただければ幸いです。

水原明窓


面積は国土の僅か1.6%のなかに、8.5%を超える人が 住み、人口密度は世界最大の都市,上海を含んだ江蘇 省に続く、この山東省に,郵趣的な関心をもって,お よそ15年の歳月がたちました。

山東の郵便史をまとめて見ようと考えたのは、この 地域の郵趣品(切手,消印,カバーなどの全部)が,コ レクションを構成するに,理想的なバラエティを持っ ていたこともあります。しかしそれ以上に,私の心を 引き付けたのは,日本との強いかかわりあいです。

日本と中国は, 2000年をこえる文化交流の歴史を持 ち,長い友好的な関係を持っていました。その長い歴 史から見ると,日清戦争(1894-95)から,今世紀の日中 戦争(1937-45)にいたる50年間は, 短い期間であるとい われます。でも,この50年は無残な侵略戦争の連続で した。特に山東に対しては,何回も出兵を繰り返し, まるで自国の領土のように,厚顔無恥な要求を突きつ け,勝手に振る舞った時代もあります。

したがって,この地域の郵便史コレクション作りは、 日本帝国主義の侵略の足跡を,もう一度実証し,記録 し直すことでした。趣味としての収集と研究が,歴史 の一側面を綴るという仕事にもなっていきました。

中国と最も深い係りを持つ,わが国において,郵便 侵略の記録は,ほとんど残されていません。諸外国に は中国における自国の郵便活動を,刻明に書いた著作 が何冊もあり,その中から山東に関するものを,引き 出すことが出来ます。ところがわが国に於ては,野戦 郵便局についての研究(鈴木孝雄《野戦郵便局のロケ ーティング》 1975)を除き,1冊として満足できる著 作はありませんでした。

手さぐりで,実物に合わせながら,実証を重ね,デ ータを結びつけ,メモを積み重ね,少しずつコレクシ ョンの内容を高めるより,方法はありませんでした。

1976年、この年の4月に開かれた全日本切手展に, コレクションの中から48リーフを選び,すべて日本女 の説明をつけた新しい構成で出品し,初めて多くの方 に見てもらいました。金賞を受けましたが,審査員の 間での評判は,あまり香ばしくありませんでした。で もそれは,山東の郵便史が持っている,比類ない興味 深さを理解してもらうに,私の表現力が不足していた のかも知れません。

1977年になって、切手展で入賞した私のコレクショ ンを,出品したときのアルバム・リーフのまま,複写 して本にするという計画が進み、この《華郵集編》が生 まれました。そのときの計画では山東郵便史〉は,別 のく東北近代史〉と合わせ, 1冊とする予定でした。

しかし東北近代史〉はそれだけで1冊をこえる分量 となり,山東郵便史〉も単独で1冊にすることになり ました。そして今年6月の刊行を目標に、リーフのまとめ直しを4月からめました。例によって時間をセーブするため、既に整理済みのリーフには手をつけないで、そのまま印刷に回す、加えるものは資料的なものに限り、全体の量は240ページくらいと、こんなふうに考えて作業に取り掛かりました。

 ところが初めて見ると、せっかくのほんだし、も同じ分野を印刷する機会はないからと、含めるリーフの数は次第に増えましたまるさらにごく一部を除いて、全部のリーフを新しく作り変えることに、考えを改めましたから、大幅に遅れて来ました。そこで7月に入ってからは、毎日8時間、深夜3時まで作業をすることにし、とうとう45日間 全部のリーフを新しく作り替えること ましたから、大幅に遅れてきました。そこで7月に入ってからは、毎日8時間、深夜3時まで作業することにし東店とうとう45日、一日も休まず続け、第7章までを終らせました。分量はここで340ペー にもなり、あと第8章を加えると,400 ページをこえます。

 第8章の大部分を占める、山東における人民郵政についてはか華郵集錦第5巻に、58ページにわたって発表していますから、思い切って割愛することにし、どうやら完成にこぎつけました。

この第6巻では、章ごとに扉を付け,区切りたい りとして,見易くしました。また資料性をそう 表とか,消印の図も加えました。単にアルバム。 フを写すことから,いくらか本らしい形に進み、 す。リーフの上にもテータを書き加えました しかしながら,収集品の内容については、 する弱い分野があり,個人の能力と資力 しない訳にはいきません。

この巻をまとめるについても,多くの方のご位ご助言をいただきました。また,もっとも嬉しく となったのは,6月にオスローで開かれた国際切 で、本書の第1~4巻が,金賞の栄に選ばれ、 した。第1部のシリーズの最後の巻となる,この章。 巻をまとめている最中の受員で,その電報を受けて、 ら、大部分のリーフの作りかえを決めたのです。

ようやくこれで第1部の全6冊が終りました。 77年の初夏,まだお元気だった中島健蔵先生から「大 にしておかなきゃダメだよ」と、強くすすめられて 行を決めてから,ちょうど3年目です。先生に完結の ご報告ができないのが,残念でなりません。

暫く休ませていただき,更に第2部に取りかかりま す。構想としては,(1)アメリカの中国における郵便活 動,(2)義和団運動への干渉列強の軍事郵便,(3)日本の 在中国郵便局, (4)チベット・新疆など辺境の郵便、 帝政ロシアの在中国局郵便局, (6)清朝末期から民国初 期の切手,などを予定しています。

最後に3年間にわたり,本書の制作実務に力を尽し てくれた,日本郵趣出版の職員の皆さん,頒布実務を 担当してくれた郵趣サービス社の皆さんに、改めて厚 い感謝の言葉をとどけます。

庚申8月15日(侵略戦争終結35年記念日)

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