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鳥山明の世界展お譲りいただきました。

鳥山明の世界展

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担当スタッフより

鳥山明の世界展お譲りいただきました。基本的に漫画関係の取り扱いはないのですが、お譲りいただいた図録の中に珍しい本が混じっておりましたので、紹介いたします。買取ももちろん可能です。

鳥山明の世界展

1990年の夏、東京国立近代美術館にはじまる「手塚治虫』が国内の国公立美術館を 巡回した際、一部から国公立の美術館がなぜ漫画家の展覧会を開催するのかという番 の声が起きました。多分、その不審の声にはいろんな要素が含まれていたように思います。

たとえば、そこには画家や彫刻家にくらべて漫画家は社会的ステイタスが一段低いから だという理由もあったかもしれません。漫画家の展覧会を開くというのは、美術館そのものの ステイタスを下げるというわけです。こういう理由はあらためて議論するに値しないと思いま す。美術は高級で、漫画は低級だというのは、今ではなんの根拠もないことだからです。 しかし、絵画や彫刻とちがって、漫画は出版というメディアによって自立している形式で あり、それをことさら展覧会という形式によって見せるのは必要のないことではないかという 意見がありました。これについては議論する価値があると思います。「鳥山明の世界」展につ いて述べるのに、余計なことをいっているように思われるかもしれませんが、鳥山ファンは別 としても、なかには漫画家の、しかもとりわけ現役で活躍中の鳥山明の展覧会を開くのにど ういう意味があるのかと思っている人もあるだろうと思われるからです。

絵画も彫刻も古い歴史をもつ視覚的なメディアです。展覧会はそれらを見せる特別の 場所というのがおおかたの通念のように思います。何故なら、絵画にしても彫刻にしても必 ずしも展覧会でしか眼に触れることがないというわけではないからです。しかし、今日の社 会では展覧会は単に作品を展示する特別な場所ではなく、展覧会自体がひとつの自立し たメディアとして機能しつつあります。出版が自立したメディアであると同様に、展覧会も別 種のメディアだという認識が深まっています。

この展覧会というメディアは、視覚の対象物を断片的にではなく総合的に見せるという点 になによりの特徴があります。それは展示されているもの同士の比較が可能であり、またそ の関連性をはっきりさせ、それによって作品全体の特色を浮き彫りにすることができます。総 合的に見せるというのはそういう意味合いにほかなりません。

「鳥山明の世界」展は、鳥山明の漫画を美術館で見せるというのではなく、今いったよう な展覧会というメディアにおいて鳥山明の仕事の全貌を見せるという試みです。それは展 覧会によってのみ可能であり、他のメディアでは実現し得ないことだと思います。鳥山明は いうまでもなく出版というメディアで作品を発表しつづけています。またアニメーションとい う映像メディアでの仕事も周知ですし、テレビゲームという電子メディアでも活躍していま す。それらに加えて、今回展覧会というメディアが鳥山明の活動に新登場したわけです。

1978年のデビュー作「ワンダー・アイランド」から「Dr.スランプ」を経て「DRAGON BALL」 にいたる鳥山明の原画の展示が展覧会の太い柱になりますが、それらはこの漫画家の卓 越した描写力をじかに示すと同時に、それによってストーリーを追うこととは別の視点から、

キャラクター形成の航跡をたどることになると思います。アニメーション 印刷された漫画とアニメーションの比較、関係をあきらかにするでしょう。 た断片的にではなく総合的に見せるということの一例です。

登場人物のキャラクターの典型化にすぐれている鳥山明の作品は、グッズ 形式にも登場しています。このメディアも欠かすことのできないものです 。 像、グッズといったメディアが、展覧会というメディアで総合化されるわけで「鳥山明の世界」展はもちろん、鳥山明という漫画家の特質を浮かび上がらせものですが、同時に、こうしたさまざまなメディアの横断によって、この漫画家の作 という形式をはみだし、現代のこの国の文化現象、あるいは社会現象という性格 であることをあきらかにするだろうと思います。鳥山明は今日それをもっとも、日 る漫画家にほかなりません。

冒頭にかえれば、そういう意味で鳥山明の仕事を展覧会というメディアで開催することに。 は深い意義があります。それは展覧会で一漫画家の作品を見るというにとどまらず、現代 会における漫画の浸透力とその広がりを見る機会だからです。その意味ではこの展覧会に おける鳥山明という名前はほとんど象徴的といっても過言ではありません。「鳥山明の世界、 展は「現代社会と漫画」展といっていいものです。

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