念流馬庭代々記・無名氏稿本・綿谷雪等武術書買取
念流馬庭代々記・無名氏稿本・綿谷雪 昭和47年
概説・念流興る・太刀割石・他流試合・名士の入門・伊香保額論・過渡期の盛衰・改革案の一二


念流道場から念流兵法と其伝統と題する一書が開版され、馬庭の剣法の概略が世に知られるようになったのは、昭和11年であった。しかしその書以前に、ここに複製した稿本が既に地元にはあったのである。原題は大正十一年版樋口武勇伝とあるが、筆者は不明である。今、念流馬庭代々記と解題して世に送ることにする。
以前紹介したことがありますが、藤田西湖氏の法術行り方絵解、元版は昭和3年ですが、こちらは平成6年の拡大復刻版です。

一、現今行はれる法術は其の數頗る多いが、何れも種のないものはない。されば一種の奇術であることは勿論である。唯所謂奇術は其の種を風呂敷の下に忍ばせて置くのであるが、これはそれをせぬ から人が不思議がる。
一、然らば法術の種さは何んであるか?他なし物理現象でなければ、生理作用に依つ て現顯せられるものである。
然るに世人は、此處に氣障か別から不思議がるので、其の原理原則を知ったら何 の幾哲もないものである。
一、唯之れを行ふに當つては、多少のコツがある。其のコツを世人に傳へるのが本書の目的で、之れを継けば誰れでも容易に完全に其のコツを會得するこさが出来る。